People fail forward to success.
失敗のない人間は、面白くない。
小泉純一郎(1942-)
格言っていうのは誰が読んでも
同じ言葉なんだから
同じ文字数である。
データの量に直せば何バイト程度のデータ量に過ぎない。
でも、読む人によって理解の深さは違うんだろう。
そして“ある経験”の後、同じ人でも感じ方は変わるのだ。
これは僕にとっては一つの失敗談。
仕事終わり、ひよこはUを1人で歩いていた、、、
数声掛けをして徐々にギアが上がってきたのを感じる。
でも時間は22時ごろ
そろそろみんなは駅に向けて帰っていく時間。
そんな中、僕は人の波に逆らって歩く。
最近は声かけも地蔵しなくなったなぁ、、、としみじみして歩く
ふとあの言葉を思い出した。
「女はブスで練習しろ。」
親鳥、つまりはひよこの父に言われた一言だ。
人生で大事な事は父が全て教えてくれた。
職場で不倫してバレたらえらいことになるっていうのもお父さんが身をもって教えてくれた。
だから僕は仕事関係ではアプローチしないんだ。
厳密に言うと元ソープ嬢が同期にいてセフレ化してて先輩にバレたけど
そんなツメの甘さもお父さん譲りだ。
そんなことを思い出しながら歩いてると、イヤホンを付けたまま歩いてる子が向かいから来た。
きゃわいい/19/フリーター
話しかけるとイヤホンを外してくれた。
「今日、初仕事で嫌な事があったんだー」
今日が誕生日らしい。
「それはいけない!お誕生日会しようか。」
話しながら英国パブに連れ出し
僕は余裕たっぷりの大人を演じながら
「何のお仕事なんだい?」
と彼女に仕事を尋ねる。
少し間をおいて、、、
「おっぱいパブなんだけど」
……!?
予想外の答えだ。
確かにここもパブなんだけど。
数ヶ月前までJKだった子が
自分の誕生日に家も決めず、身一つで地元から出てきて
初日におっぱいパブに出勤してきたところを声をかけると思うだろうか。
常にストはドラマに溢れてる。
「おじさんに乳首舐めらるの嫌ぁ、、、」
と彼女に口を漏らす。
(いや、そういう場所だろ。)
と心の中で突っ込むが「大変だったね。」と共感者トークを行う。
たしかにおばさんに乳首舐められるのは僕だって嫌だ。
相手の気持ちになってみよう。
そうやって彼女の気持ちをバックトラッキングを混ぜつつお話を進めていく。
技術:バックトラッキング
そうして1時間程経ったところで
店内のEDMがハッピーバースデーの曲に変わる。
「あっ、誰か誕生日なのかな?」と彼女
そんな彼女の下にろうそくを持ったスタッフが来る。
密かに僕が手配していたのだ。
ありがとうー♪
女の子も笑顔だ。
そうして、お店の会計はトイレの間に済ませておく。
2人の間はもう恋人の距離感だ。
コンビニでケーキと飲み物を2人分買う。
手を繋いでホテルまで歩いていく。
ホテルに入った。
もはや顔なじみとも言える受付のおばちゃんに宿泊という旨を伝える。
部屋に入り
ケーキを開けてお話する。
2人で見つめあう。
キスをしようとすると、、、
「私なんかやっぱり違う気がする」
ここに来てグダに入った。
大人の男性として僕は落ち着いて話す。
「嫌な事はしないよ。もし君が違うなって思うなら僕は無理にとは言わないし追わない。」
どこかで聞いた様な言葉。
先人達が模索して積み上げてきた経験の結晶
“突き離しルーティン”だ
彼女は数秒間ほど間をおいて
荷物を持って玄関に向かう。
でも、分かってる。君が帰ってくるって。
ガチャン
扉のしまる音。
無音となった部屋。
大丈夫だPUAは焦らない。
..........
................
....................。
どれだけの時間が経っただろう。
数時間な気もするし
数秒間な気もする。
僕は目を瞑って考えた。
深呼吸して深く息を吐くのは
吸い込んでしまった重たい空気を肺から出す事で気持ちを切り替えたいからなのかもしれないがそれは僕には分からないんだ。
ただ一つだけ気付いたことがある。
僕はホテルに連れ出し負けをしたんだ。
負
け
この二文字とホテル代が僕に容赦なく襲いかかってくる。
認めたくはないがこれが現実だ。
宿泊で入ったホテルから15分ほどで出てくる僕への
受付のおばちゃんの驚きの目線からもこの事態の非日常さは伝わってくる。
ありがとう。君のおかけでおばちゃんの知らない顔を知れたよ。
さて
冒頭の言葉にもう一度戻ってみよう
“失敗のない人間は、面白くない。”
ここまで読んでくれたあなたに質問したい。
どうだろう?
“失敗をした僕は、面白いのだろうか。”